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002 ミ ャ ン マ ー の 蒸 気 機 関 車

蒸気機関車ってどのようなイメージを持たれますか?

日本の国鉄(当時)線路上から蒸気機関車が廃止になったのは1975年のことだから、もうだいぶ昔のことですね。山道を煙を出して走る、山村の小駅を発車する汽笛の音、畦道で汽車に手を振る蝉取り帰りの少年、、、古く懐かしい日本の過去かもしれません。今のJRで走っている蒸気機関車に乗った方もいらっしゃるでしょう。彼ら機関車は一度廃止後に、観光目的で復活した蒸気機関車です。観光客を乗せて、近代的な車両を引いて走る姿は、あくまで「特別列車」です。

でも、海外にはまだまだ現役で観光客相手の特別列車ではなく、市民の生活を運んでいる蒸気機関車が走っている国があります。ミャンマーもその一つです。勿論、ミャンマーの蒸気機関車もめっきり少なくなりました。1964年には287両、1978年には234両、1994年には43両あったのが、現在は12両だけになってます。機関車は1948年、イギリス製です。

人々は生活のために農林水産物を運び、通勤通学、デートや出張に汽車に乗る、、、もしミャンマーで現地の人達に混じって、そのような生活の為の蒸気機関車に乗れたら、乗りたいと思いませんか?でも、かなり山奥へ行かなければ?イエイエ、首都Yangonの北東70KmのBagoには機関区があって、ここから毎日1往復の蒸気機関車がNyaunghasheまで往復しています。Bagoは13〜16世紀にモン族の都のあった由緒ある街で、寝釈迦仏や、シュェモドウ・パゴダなど見所の多い町です。

Bago駅を11:00に発車した列車は終点まで行くと、降り返し17:15にBagoに帰ってきます。沿線はパゴダが点在して車窓の両側には肥沃な田畑が広がり、なんとも長閑です。ミャンマーの長距離列車は外国人は予約制になりますが、この汽車は普通列車で、いつでも乗れます。ただし、外人は2ドル請求されますが。列車の編成は客車だけだなく、貨車も繋いでます。でも貨車にも乗客が沢山!貨車は屋根が無く、日本で言うトロッコ列車みたいに開放的。大地の風を感じながら揺られて蒸気機関車の汽笛を聞く、、、最高ですよ。

そうそう、なぜ貨車かっていうと、人が乗るだけでなく豚や鶏などの家畜も乗るためです。一方、客車には「車内販売」もあり、スイカや菓子の販売に来ます。途中駅では水売りや、サトウキビ。ジュースの屋台も。首都のYangonでは少なくなった、頬に「タナッカ」という白い樹木からの乾燥粉末を溶いて塗っている現地の人々のにこやかな笑顔。楽しいな〜。こんな旅、どうですか?絶対思い出になりますよ!

もう1ッ個所蒸気機関車が走っている所があります。BagoからMandalayへの国道を70Km北上したPyontazaという街からMadaukまでです。ここでは1日に2往復走っています。朝の1本目の列車は5:30発だから、ヒンヤリとした朝の清涼感を楽しむには最高。乾季には15℃くらいになるでしょう。現地の人は大真面目にジャンパーを着ています。でも、日中は33℃にはなります。暑気(3〜5月)だと40℃かな。

涼しい朝の列車は、蒸気機関車の煙突から漏れた蒸気が白煙となってたなびき、途中で日の出になりますが、幻想的!Pyontaza〜Madaukも盲腸線だから、終点までいくと起点のPyontazaに帰って来られ、安心。他には隔日でBago〜Martaban間の客車列車や、Yangon環状線のチャーター用蒸気機関車もありますが、前者は不定期なので、時間の決まった旅行者には不便です。

それと、蒸気機関車といっても石炭ではなく、オイルで蒸気を発生させるオイルバーニングのため、オイルの不足で運休になったり、ディーゼル機関車に変わることもありますので、現地で必ず確認して下さい。Bago発、Pyontaza発のどちらかはオイル不足でも動いてます。
では、ミャンマーの蒸気機関車で良い旅を!

No.169Train Bago 11:00 → Nyaunghashe 13:35
No.170Train Nyaunghashe 14:35 → Bago 17:15
No.161Train Pyontaza 05:30 → Madauk 07:00
No.162Train Madauk 08:40 → Pyontaza 10:25
No.167Train Pyontaza 14:00 → Madauk 14:45
No.168Train Madauk 16:45 → Pyontaza 18:20

※列車の時刻は遅れることがありますので、ご承知下さい。

written by 新田義人さん
photo by 新田義人さん
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