010 ケ ン ト ン 旅 行 記
ヤンゴン航空(略称HK)を利用して2004年3月、10年ぶりにシャン州ケントン Keng Tong を訪れた。ヤンゴンからケントンまで片道130USドル程度。ヤンゴン発10時45分、途中ヘホ、マンダレー、タチレクを経由して、ケントン到着は14時45分の予定。しかし、3月11日の当日はタチレク着陸をカット。そのためケントン到着は、定刻より早い14時ちょうど。
タチレクの乗降カットは、乗降客がないための措置と思ったが、実は外国人8名と日本人1名が、タチレクで降機するはずだったことが判明、チェイントン空港での理由は、ヤンゴン航空側がタチレクの悪天候を主張。乗客は当日中に国境を通過してタイへ入国する予定のところ、ヤンゴン航空の独断により170キロ離れたケントンで降ろされ、当然のごとく空港職員に抗議した。本来の責任は航空会社にあるが、当初その誠意がみられず、交渉難航のすえ陸路の手配を認めた。すでに15時をすぎ、国境閉鎖の18時までにタチレクへ到着することは無理であったろう。
ケントン(Teng Tong)。地名の由来は、中国人の「チン」と本来の地名「トン」が合成されて「チントン」が原型となった。地元ミャンマーのひとたちの発音は、チェントンまたはチェィントンと聴こえる。街は周囲2Km あまりのハントン湖を中心として発展、しかし交通信号は一基としてなく、夜間は街灯もないので、懐中電灯の携帯が必要だ。むろん日没後、午後7時を過ぎれば漆黒の闇。タイ国境メェサイ/タチレクからの自動車道が整備され、10年まえ6時間を要した悪路は3時間に短縮。現在は、隣国タイ人にとって「手軽な秘境」として、観光客が増えつつあり、週末はホテルが混み合う。
ケントンの中央市場は、朝6時ごろから開催され、最盛期は7時から8時ごろ。周辺の山岳部から農産物を販売にくる。また同時に日用品を調達するためにも山から降りてくる。市場内で麺類、インドふうのチュパティ類、黒砂糖で味つけしたモチ米・・・など朝食に不自由しない。土地柄から農産物が圧倒的な種類と集積量で水産物は貧しく魚類のナマズ、コイ、河エビていど。そのほかの水産物は、乾物に限られる。鶏肉、ブタ肉は、さきほどまで生きていたほどの鮮度。ただし牛肉は見かけなかった。食材は、正午ごろまでに売り尽くした行商は帰宅し、午後からは、売れのこりの商いだけが退屈に過ごす。タイからは、化粧品、たばこ、衣類・・・などの日用品が多く、中国からは、農機具、品種改良した農産物の種子・・・など農業関係の工業製品が多い。これらの物品販売も午前中が最盛期のようだ。
ケントンからの帰路は、首都ヤンゴンへ戻らずタチレクまでの陸路をつかい、タイへ入国した後、日本へ帰国する行程をとった。乗り合いタクシーは、客4人が集まった時点で随時発車する。フロント席1名9000チャット、後席3名は各8000チャット。約9〜11ドルに相当し、現地人・外国人ともに同一料金。宿泊ホテルで、前日中に予約しておくと、翌朝の出発直前、ホテルに立ち寄りしてくれる(ホテル待機は、午前9時ごろであった)。タイの入国を急ぐ場合は、乗り合いタクシーの始発地点へ移動して、出発を待つほうがよい。パスポートは運転手に預け、途中いくつか通過する検問所では、運転手ひとり下車して手続きを代行してくれる。トイレ休憩は一度もなかった。
行程途中に、反対方向から来る同種の乗り合いタクシーと、15台以上すれちがったから、1時間に4〜5台程度、おおむね15分に一回の運行がある。10年まえ6時間を要した悪路は、ケントン・モンピャ間の峠越えに迂回路が新設され、わずか80分で走破、タチレクまでの所要は3時間が実現した。
タチレクの出国手続きは、イミグレーションでなく、その隣室 M.T.T.(Myanmar Travels & Tours)で行なった。(その理由は不明)手数料20バーツ。タイへの陸路入国は、たてまえとして事前に査証を取得しておくことになっていたが、現実として不要で入国に支障はなかった。タイの入国時点で時差、30分進めることに注意したい。
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以下、ケントンの中級ホテルは3軒。
プリンセスホテル
一泊スタンダード20ドル/スーペリア25ドル
エアコン、テレビ、ホットシャワー、朝食付。
ケントンで唯一、停電時に自家発電で対策。従業員も良質で、この価格ならば満足できる。タイ人の団体客に人気、満室の場合あり。
ケントンニューホテル
10年前は、建設途中で今回初めて利用。
一泊スタンダード24ドル/スーペリア30ドル
エアコン、テレビ、ホットシャワー、冷蔵庫、朝食つきただし電気の使用は時間制限あり。
電気 07:00〜08:00 / 17:30〜22:00
温水 18:30〜19:30
朝食 07:00〜08:00
客室数が多く、稼働率のひくいホテルなので上記プリンセスホテルが満室の場合に予備として考慮。
ケントンホテル
10年前は、当地で唯一のホテル。すでに老巧化がすすみ、推薦できない。
その他、一泊5ドルていどのゲストハウスが数軒。エアコン、テレビ完備せず、水シャワーのみ。いずれのホテルも客室内は、蚊が侵入しており蚊取り線香の持参が望ましい。
written by 水野哲行 |