辺境・フロンティア
 HOME Travel Destination frontier Hukaung Tiger Reserve

Menu ■

目的地(一覧)
辺境・フロンティア
ヤンゴンと周辺
バガンと周辺
マンダレーと周辺
インレー湖と周辺
└ビーチ・その他


現地生情報・辺境
ミャンマーエコツアー

目的地
オススメ情報
少数民族
旅行ルート


基本情報
旅行情報
プラザ
ニュース
ツアー情報
about us
 
 

フーカウントラ保護地区について
About Hukaung Tiger Reserve

野生動物の宝庫、フーカウントラ保護区について、林野庁、野生動物協会( WCS )が発行したパンフレットの日本語訳です。ご参考ください。また、フーカウントラ保護区へと訪問希望の方は、お気軽に お問い合わせ ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フーカウントラ保護区
経緯
1999年国内外の有識者を含む林野庁と WCS の合同チームがフーカウン盆地地域へ視察団を派遣した。トラや象を含む生態系豊かな状況をみることができた。 WCS の視察報告書を受けて林業省は国の保護管理のための提案を行った。その後林業省で2001年4月3日、フーカウン盆地地区の保護を目的とすることと、2004年6月3日、2460平方マイル地域の承認を発表した。保護区に接するエリアをトラ保護地区として拡げ、管理するため WCS と林野庁合同で決議した。その提案を更に検討し林業省が国に提案をすることとなった。

林業省は5950平方マイルのフーカウン盆地保護区を2004年3月1日に設置することを発表した。フーカウン盆地保護区と拡大予定地をあわせフーカウントラ保護区として承認管理される。フーカウントラ保護区はトラのための世界的に有数の広い自然区であるだけでなく視察・研究の為の生態系と人類文化遺産の豊富な場所のひとつである。

国家トラ生存リスト集約事業とミャンマーの現在の状況
1980−1981年頃、ミャンマーではトラ約3000頭がいたといわれているが、1996年ごろには600−1000頭ほどしか残っておらず、ミャンマーはアジアの中でインドについで2番目にトラが多く生存しているといわれているが林野庁と WCS 合同で1998年12月〜2002年4月国内のトラの生存数リストアップ事情を隠しカメラの最新技術を利用し行った。トラのリストアップ事業で得られた結果、ミャンマーでフーカウン盆地地域、タマンディー野生保護区とタニンダーリ山脈周辺でトラの棲息が約125−150頭確認された。減少が懸念されるミャンマーのトラを国家トラ保護計画を立ち上げ、林野庁と WCS が合同で保護管理している。国民においてはその責務としてトラ保護事業にできる限りの協力を要している。

目的
1.ミャンマー国の絶滅種に瀕しているトラの保護。
2.トラの棲息地保護。
3.トラのえさとなる獲物を人間による狩猟からの保護。
4.チンドゥイン河源泉自然環境と地質の保護。 
5.種の研究と開発。   
6.エコツーリズム事業の発展と実現。

承認済みフーカウントラ保護区の位置と広さ
位置  北緯 21'23' 〜 27'23'
     東経 95'33' 〜 97'18'
広さ     8418 平方マイル
海抜    433-10216 フィート
気候   温帯
降雨量  年間150インチ
温度   冬 華氏30 - 70度
      夏 華氏70 - 103度
周辺都市 カチン州    タナイン、パーカン、モーカウン
      サガイン管区  ナンユン、カンディー、レヘ
管理事務所  タナイン市内に開設

トラ保護区の
東側には−クムン山脈
西側には−サンパン山脈
北側には−パックイン山脈
南側には−カサインヤン山脈、チャンカ山脈、カインカン山脈
が位置する。
第2次世界大戦時に開通された世界チョウリドー道はトラ保護区内の中心に南北に伸びている。トラ保護区はチンドゥイン河の上流にある。

交通
               暑期        雨期        マイル
ヤンゴン−ミッチーナ  飛行機・車・列車  飛行機・車・列車     796
ミッチーナ−タナイン    車         車          120
タナイン−シンビェヤン   車         船          44
シンビェヤン−ハンサウン  車         徒歩         66

森の種類と樹種
常緑樹の森、高原常緑樹の森の他に野生蘭、(学名: Dysoxylum binectarferum Matraceae )、 ( 学名: Shorea assamica Dipterocaepaceae) 、オオミフタバガキ、つばき、(英名: Iron Wood 学名: Maeusa terrea Guttiferae )、キンユウボク、スンドリ、(学名: Hibiscus microphyllus malvaceae )を初め常緑樹が多くある。様々な薬草となりうる植物は価値がつけられないほど、将来的事業の根源となると指示されている。

野生動物
トラ、アジア象、豹、熊、山牛、水牛、羊、鹿、山猫、手長猿、木の葉を食べるサル、山羊を含む哺乳類35種、が登録されている。鳥類300種以上、蛙46種、蛇41種、亀4種が登録済みで淡水魚や蝶の研究も可能である。

地域管理
トラ保護区の中心を横切るリド道の適当な4箇所に野生動物の通過道として残した所をのぞいて車道左右両側に1マイルづつ地域の人々のために土地利用モデル地区として農業、畜産、その他家畜事業の為の土地を解放している。その地域にある村を移動させることなくトラ保護に協力する村となるよう意識、教養を高める。この地域以外にある田畑や事業が変わらず続けられるようにしている。

今後の管理計画
フーカウントラ保護区を人とトラの共生地域のモデルとるように地域の人々の協力を得て実行していく。モデル地区で最新技術を使った農業、畜産を地域の人々が実行できるようになる為には諸外国からの金銭的支援、技術支援が必要となる。地域の人々からも地区毎にトラ保護委員会を組織し役所に協力体制がとれるようにする。
エコツーリズムを企画するものが先駆けとなり実行していくことで地域の人々に雇用の機会が増加する。そのエリアを保護し知識を与えることと研究事業を行うことによって利益を継続させ、弱点を強化し常に発展していくように管理する。

世界の野生トラの数
過去100年以上前、トラはアジア周辺いたるところに棲息していた。現在、ロシア、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナム、マレーシア、インド、バングラデシュ、インドネシア、ブータン、ネパール、北朝鮮に棲息する。
世界中に生存するトラの数は年々減少してきている。要因としてトラの内臓をクスリにするために捕獲したり、トラのえさとなる獲物を人間が無造作に捕獲したためトラの生活場所が失われたからである。

習性
交尾期以外は雄トラは一頭で過ごす。雌は子供が2歳になるまで一緒に暮らす。
交尾期−冬
受胎期間−103−110日
繁殖率−2−3頭
肩高− 36 −44インチ
頭囲、身長 オス−106−122インチ
       メス−94−113インチ
体重    オス−396−573ポンド
       メス−287−353ポンド
寿命    動物園内−20−25歳
       野生−12−20歳
えさ捕獲率  トラは森の王者であるがえさの多い地域以外では8回に1回の割合で獲物を捕らえる。

トラは様々な地域・様々な気候で棲息可能
−熱帯常緑樹の森
−落葉樹の森
−氷山にある松林
−マングローブ林
−草原

人間とトラは共生できるか?
何世紀からか人間とトラは世界中で共生してきた。人間の歴の中でずっとトラは私の神経の中で尊ぶもの、模倣するもの、驚かされるもの、恐れいやしむものとする象徴であった。現在、少数民族であるナガ族の中で何人かはトラの霊魂を持っていてトラの使いに出せると信じられている。ミンモ−レッカ山の近隣に位置するタニンダリー地方は虎を森の神、山の神として像を神殿に祀っている。
バガン王朝時代の壁画、インドやチベットにある僧院の壁画、中国、ベトナムの製品の商標、西側諸国の遊技場や美術館にトラが見られる。トラは世界の各文化地域で芸術家、作家、音楽家、広告デザインナー、スポーツ選手にとって熱意を持たせ知恵を働かせる根源となるものの一つである。トラは私たちの文化を発展させ、人間の感覚を動かし、刺激するものであった。今日、人間の身勝手な行動からトラはこの世界から滅亡していくのではないかと懸念されている。

エコツーリズムの特徴
(a) 虎や野生の象を自然のまま観察できる。
(b) 象に乗って森の観察ができる。
(c) 支流に沿って舟に乗り冒険できる。
(d) 整理された田畑、伝統的農業を視察できる。
(e) 鹿、珍しい鳥などの研究観察ができる。

世界のトラの種類
世界の8種類の虎のうち現在は5種類が生存している。その5種類も減少してる。20世紀、約10万頭いたが現在5万頭まで減少した。
ミャンマーにははベンガルトラ( Bengal tiger )とインドチャイナトラ (Indochinese tiger) の2種類が生息している。1998統計では−
   種 類                  最低数       最高数
1 シベリアトラ( Panthera tigris altaica )     360 406
2 ベンガルトラ( Panthera tigris tigris ) 3176 4556
3 インドチャイナトラ( Panthera tigris corbetti ) 1227 1785
4 南中国トラ( Panthera tigris amoyensis ) 20 30
5 スマトラトラ( Panthera tigris sumatrae ) 400 500
--------------------------------------------------------------------------
合 計                 5183 7277

絶滅したトラ                   絶滅年
6 バリトラ (Panthera tigris balica) 1940
7 カスピヤントラ (Panthera tigris virgata) 1970
8 ジャバトラ (Panthera tigris sondaica) 1980

ミャンマーのトラ保護のために以下のことに協力すること
下記の項目を遵守することでミャンマーのトラの長期安定を助けることとなる。
1.トラの捕獲状況を明確にする。
2.トラとトラ製品を売買するものを明確にする。
3.トラ肉、トラ製品を嗜好品として購入することを避ける。
4.トラの内臓から抽出するクスリは特別な効果はない。購入することを避ける。
5.トラ保護区内にある木や森からできる製品を決められた規則によって終始安定して使用するように。
6.トラのえさとなる野生動物をビジネスのために捕獲し売買するものを報告する。
7.地区、村ごとにトラ保護委員会を作り森林局に協力が協力すること。
8.保護員と有識者が来訪の際にはできる限りの協力をすること。

・自然をあがめ保護する人としてトラの絶滅を食い止める為できる限りの努力をすることが必要。
・トラに関する情報、提案すること。

ミャンマートラ保護のためともに協力しよう。
・フーカウントラ保護区内ではミャンマートラの存続の為トラ保護事業を林業省とミャンマー国野生動物保護協会( WCS )が1999年以来事業を行っている。
・地域の人々の協力を必要としている。
・世界にトラは8種類いたが1930−1980年の50年の間に3種類が絶滅した。
・絶滅した種はジャバトラ、バリトラ、カスピヤントラである。現在、棲息しているトラはベンガルトラ、インドチャイナトラ、シベリアトラ、スマトラトラ、南中国トラである。
・ミャンマーにはベンガルトラ、インドチャイナトラの2種類が棲息している。

トラの棲息地域
・熱帯常緑樹の森
・落葉樹の森
・氷山にある松林
・マングローブ林
・草原

現在フーカウン盆地地域にはトラ100頭が棲息している。

人類への寄与
・トラの減少は獲物とするシャムシカ、ほえ鹿、ミズシカ、いのししなどの動物の繁殖によって、人間の野菜、穀物を荒らす原因となる。
・これら野生動物の数が自然の摂理と調和する為にトラは保護されていかなければならない。

トラ保護事業
・世界的にトラ保護事業は1969年より始められた。
・要因として過去約100年で世界中のトラ約10万頭が棲息してきたが現在5万匹より減少しているといわれている。
・100年で95%のトラが様々な懸念の中減少していった。
・トラの生存は棲息地域を拡げることやトラの獲物となる動物を減少させないことである。
・ミャンマー国ではトラ保護事業を1999年より行っている。

トラに直面する地域の危険性
・経済的森の伐採など乱伐が「トラの獲物捕獲地域」の減少と破壊に繋がる。
・トラの獲物(鹿、ミズシカ、いのしし、インドヤギュウ)を人間が無制限に捕獲した為トラの種絶滅に繋がった。
・金採掘は自然を破壊し、金掘削中に使用される「水銀」や「砒素」は人体に悪影響を及ぼす。
・水銀中毒になると妊娠中の胎児の脳や体に障害をもたらし、うつ病を引き起こし、慢性病に力を無くし意識が朦朧とし嘔吐したりする。中毒にかかり適切な処置を施してもそれを繰り返すことによって完治しなくなる。
・砒素中毒になるとガンになりやすい。その他、肝臓、皮膚、腎臓、肺を煩わせる。毒が拡がると神経が麻痺し、下痢、嘔吐、腹痛をひきおこし最後には意識を失い死にいたる。


ミャンマーのトラ保護のために以下のことに協力すること
1.トラの捕獲状況を明確にする。
2.トラとトラ製品を売買するものを明確にする。
3.トラ肉、トラ製品を嗜好品として購入することを避ける。
4.トラのえさとなる野生動物をビジネスのために捕獲し売買するものを報告する。
5.保護員と有識者が来訪の際にはできる限りの協力をすること。

連絡先
フーカウントラ保護地区
タナイン市カチン州
(又は)
野生動物保護協会(ミャンマー国計画)
( WCS Myanmar Program )
(c-1)Aye Yeik Mon 1 rd., Yadanarmon Housing, Hlaing Township, Yangon
Tel:524893,512984 Fax512838

林野庁、野生動物協会( WCS )ミャンマー国計画として発行(2005年2月